任天堂がわが家で初の“野党”となった2010年、iPad&iPhoneゲーム BEST10

私にとって任天堂というのは特別な存在であり、あらゆるゲーム機もゲームソフトも任天堂を基準にプラスかマイナスかを判定する、いわばメートル原器みたいなものであった。
ところが、2010年にえらいことが起きた。1989年のゲームボーイ登場以来、わが家の携帯ゲームの“与党”の座を死守してきた任天堂。しかし、その座をあっけなくiOSiPadiPhone)に明け渡し、“野党”に転落してしまったのだ。私はニンテンドーDSのソフトを数本しか買わなかったが、気がつけばiOS対応のゲームソフトを数100本プレイしていたのである。
この件はまた稿を改めさせていただきたいところであるが、2011年こそはニンテンドー3DSが再びわが家の与党の座を奪取してくれることを期待しつつ、今回はiOS用ゲームの2010年ベスト10作品を選んでみた。なお、私は基本的にアクションゲームが好きなので、コマンド選択式のRPGなどは入っていない。


10位:RAGE HD(Universal)

懐かしの『Smash TV』的な世界観で繰り広げられるアトラクション型FPS。自由度は低いけど、グラフィックを見るだけで元は取れたと思えるほどすごい映像。ゲーム展開を覚えて繰り返しプレイするのが苦でなければおすすめしたい。



9位:The Incident(Universal)

落下してくるオブジェクトをよけつつも積み上げていき、足場にしながら上へ登っていくアクションゲーム。ドット絵で構成されたグラフィックが楽しい。



8位:Robot Rampage(iPhone)

1980年代にちょいヒットした『Rampage』は巨大怪獣だったが、本作の主人公は巨大ロボット。アメリカの街を侵略しつつ、どこまで生き延びられるかを競うアクションゲーム。序盤は歩兵や戦車がチクチク攻めて来る程度だが、後半に登場する爆撃機や核爆弾をいかに素早く撃退するかが攻略のカギ。B級SF映画風の緻密なグラフィックがとても良い。



7位:Geometry Wars : Touch(Universal)

アメリカの人が昔から大好きな、全方向スクロール型シューティング。ワイヤーフレームを基調としたグラフィックが素晴らしい。プレイモードが多数用意されており、スコアアタックにハマれば半永久的に楽しめそう。他機種版でもすっかりおなじみの本作だが、据え置き機には及ばないもののDS版よりは圧倒的にグラフィックの質が高い。



6位:Flight Control HD(iPad)

iPhone版でおなじみ航空管制ゲーム。iPhone版に比べて一気に画面が広くなり、飛行機への指示出しがものすごくやりやすくなった。「iPad版が完成形」と思わせる作品の一つ。



5位:Infinity Blade(Universal)

いわゆるRPGを鍋で煮詰めて水気を飛ばし、残ったエキスを『パンチアウト』でのばしてUnreal Engineで味付けしてみました、的な作品。主人公がたった20分程度で最後のボスまでたどり着き、倒そうが倒されようがそこでゲームは終わり、いきなり20年が経過して主人公の息子がすべてを引き継いで1面に戻る、という流れを何度も何度も繰り返す、まるで「紙猫芝居」みたいなシュールな展開に釘付けだ。驚愕のグラフィックに加えて、『パンチアウト』な要素(攻撃/回避/相殺/必殺技)もとても良く出来ている。



4位:Super Mega Worm(Universal)

巨大ミミズを操作して、地上の人類と戦うアクションゲーム。ステージを重ねるにつれ、地元の猟友会から警察、そして軍隊へとスケールアップしていく人間どもを虐殺していく。と書くと残虐な感じもするが、スーパーファミコンみたいなグラフィックがゴアなテイストを相殺しており、楽しく遊べる内容となっている。自機ミミズのレベルアップも手応えあり。



3位:RobotNGun(iPad/iPhone)

自機=ロボットがコロシアムみたいな場所で敵メカ軍団と戦ってお金を稼ぎ、武器を買ったり自機性能をパワーアップさせたりしていく、アニメ「ボトムズ」風味のアクションゲーム。お金の力でどんどん自機をビルドアップ。どの武器にも独特の個性と派手なエフェクトが用意されており、使い分けるのが面白い。でも最後の武器が意外としょぼかった。



2位:Spirit(iPad/iPhone)

自機を指で操り、自機の動いた軌道で敵を囲んで倒すアクションゲーム。タッチインターフェースが生んだ、21世紀の『リブルラブル』と呼びたい秀作。画面の一部を囲ってちまちま攻撃しつつ、画面全体を一気に囲ってメガクラッシュを狙うのが本作の醍醐味。iPhone版もいいけど、スクロールせず全画面が常に表示されるiPad版の方がよりプレイしやすいし、よりナムコの黄金期っぽい感じがするのでおすすめ。



1位:Reckless Racing(iPad/iPhone)

本作は、古くは『スーパースプリント』、最近だと『ゲームセンターCX 有野の挑戦状』所収の『ラリーキング』のようなトップビュー型のレースゲームだが、2Dグラフィックでなくハイレベルな3Dグラフィックで画面を描写しているという、意外とありそうでなかった作品。細かいところまで描かれたグラフィックはとても素晴らしい。やたらと滑るドリフトなどの挙動も楽しいし、オンライン対戦も面白い。コースがたくさん用意されているので末永く楽しめそう。しかし、すぐに値下げしたところを見るとあんまり売れてないんだろうか……。現時点でiPad版が600円というのも十分安いと思うが、iPhone版の115円という値段は何かの間違いじゃないかと思うぐらい安すぎる。まだプレイしてない人は無料版でいいから一度遊んでみた方がいいと思う。