「完全移植」なのに本家を超えた『3D スペースハリアー』

■3D スペースハリアーセガ3DS■2012年12月26日■シューティング ■600円■★★★★★
1985年に登場したアーケード用シューティングゲームの移植版。高い移植度に加えて、立体裸眼視にも対応。筐体の雰囲気を再現するモードなど、様々な要素が追加されている。

公式サイト



汚い写真ですみません(交差法です)。





アーケード版『スペースハリアー』が登場したのが1985年12月で、最初の移植版であるセガマーク3版(ハードスペックが違いすぎて、面白いけど完全移植とは程遠い内容だった)が登場したのが1986年12月。
その移植版から26年。2012年12月、ほぼ完全移植の上に裸眼立体視で楽しめる『3D スペースハリアー』が3DSで登場した。
プレイしてしみじみ感じるのは、ついに『スペースハリアー』が完全体になったという印象だ。1985年の『ハングオン』以降、ちゃんとした3D空間の描写を追求し続けていた当時のセガ作品の中でも、最も裸眼立体視に適したタイトルの一つがこの『スペースハリアー』ではないかと思う。一点透視の画面の奥から手前から次々に敵やら障害物やらが登場するシンプルな内容は、3DSの画面にものすごくしっくり来るし、オリジナル版に足りなかったピースがハマったみたいな感じさえする。
過去のゲームを3Dポリゴン化したりしてリメイクした作品は数あれど、オリジナルの内容をそのまま継承しつつオリジナルを超えてしまった例というのはあんまり見たことがない。筐体再現の仕掛けもバカバカしくて面白い。数多くの移植版が存在する『スペースハリアー』だが、この3DS版を超える移植版は当分の間登場しないんじゃなかろうか。

3DSを持って26年前にタイムスリップし、「そうかスプライトが全然足りないからBGに何もかも全部描いちゃうって手があったか」などと感心しながらセガマーク3版をプレイしていたあの頃の私に、この3DS版を見せびらかしたい気分だ。あと、セガマーク3専用の3Dグラスを装着し、目をチカチカさせながら『スペースハリアー3D』をプレイしていたころの私にも見せてやりたい。
GAME WATCHさんの、まるでプロジェクトXみたいな熱いインタビュー記事を読むとさらに楽しめる。すばらしい作品を本当にありがとうございました。本作がいっぱい売れて、セガさんが3DS版『サンダーブレード』『アフターバーナーII』の開発を決断されることを切に願っております。


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