『ドラゴンクエスト1』これまでの移植版を比較してみた


これまで数々のプラットフォームに移植されてきた『ドラゴンクエスト』であるが、今回のスマホ版みたいな不評を買った移植版はなかったように記憶している。オリジナル版を含め、これまでの移植版がどんな画面・内容だったのかを調べてみた。

ファミコン版/NES版(北米版)





まだ『ウルティマ』の影響が色濃く残っており、日本版は主人公が常に正面を向いているのが特徴。8x8ピクセルの仮名ビットマップフォントは読みやすく、何となく愛嬌も感じさせる。画面中のメッセージでは、濁点だけの行を設けて濁点を別に描画している。マルチウィンドウ風の操作系も斬新だった。


北米版は数年後にブラッシュアップされて発売されたため、主人公は4方向を向くようになり、海岸線などの描写も『ドラゴンクエストII』の手法が採用されている。復活の呪文ではなくバッテリーバックアップ方式でデータを保存するのも大きな違いの一つ。

MSX版・MSX2



MSX版はスクロールの滑らかさが足りず、スプライト・背景の色数にも制約があったが、一見するとファミコン版に近い雰囲気を再現することに成功している。


MSX2版は色数が多く、ファミコン版にとても近い。

スーパーファミコン




一作目と二作目がひとつのカートリッジに収録されたリメイク版。
スーパーファミコン版『ドラゴンクエストV』のノウハウが使われており、操作性が大幅に改良。美しいグラフィックと大きめの漢字仮名まじりフォントで快適にプレイすることができる。

ゲームボーイ




ハードウェアのスペックは劣るものの、スーパーファミコン版の雰囲気を感じさせるグラフィックを実現。フォントには濁点があらかじめ付加されている。すぐにゲームを中断できる機能が搭載された。

iアプリ・EZアプリ・S!アプリ版




いわゆるガラケー専用のアプリ。グラフィックはスーパーファミコン版『ドラゴンクエストIII』がベースとなっている。ドラクエらしさを維持しつつドット絵の進化の流れを受け継ぐ、しっかりと描き込まれた美しいグラフィック。ビットマップフォントも読みやすく、丸みがあっていかにもドラクエっぽい。

iOSAndroid




ガラケー版をベースにしているが、様々なデバイスの画面解像度に対応するためなのか、ピクセルがドットバイドットにならずギザギザしている。縦長の画面になったことに加えて、フォントはデバイス内蔵のゴシック体が当たり前のように使われており、ドラクエらしさがかなり損なわれているように感じる。操作系にも若干の違和感がある。
色々な事情があってこうなったのだろうとは思うけど、ちょっと残念な気分になった。

「マンガ ドラゴンクエストへの道」は、1985年発売の初代『ドラゴンクエスト』のメイキング的な作品。あくまで実話を再構成したフィクションではあるけど、スマホ版が出た今あらためて読むと、その熱量の高さに驚かされる。

すでに発売日が決まった『ドラゴンクエスト』の納期を遅らせてでもクオリティアップ作業をさせて欲しいと懇願する開発者・中村光一さん。熱いっす。

ドラゴンクエスト

ドラゴンクエスト

ドラゴンクエスト1・2

ドラゴンクエスト1・2

ゲームボーイドラゴンクエストI・II

ゲームボーイドラゴンクエストI・II

参考:
wikipedia:ドラゴンクエスト

画面写真は以下のページから引用させていただきました:
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http://www.realmofdarkness.net/dq/games/nes/dw/ss
MSX1 ソフト た〜
ドラゴンクエスト ( その他コンピュータ ) - 1985 - Yahoo!ブログ
Toshi's HP_ uDRAGON QUEST 1E 2v
File:Dragon Quest 1 Remake screenshot.png - Wikipedia
Mobile:スクウェア・エニックス、次期FOMAにドラクエ、ファイナルファンタジーを完全移植
ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ(GB版) ( ゲーム ) - レトロもいいよね - Yahoo!ブログ
ドラゴンクエスト for スマートフォン 公式プロモーションサイト | SQUARE ENIX