Bamboo Padは「ペンタブレット界のiPad」かもしれない


ADB接続のArtPadに始まって、この20年でワコムペンタブレットを10台ぐらい購入してきた。
その結果、「理想のペンタブレット像」みたいなものが固まってきた。



1. ワイヤレスであること
私はペンタブレットを出したりしまったりすることが多いので、ケーブルがない方がありがたい。

2. 乾電池で動作すること
ワコムの製品はとても耐久性が高く、長く使えて本当に有り難いんだけど、バッテリーがリチウムイオンの専用品だと「バッテリーの寿命=製品寿命」になってしまう。使用中にバッテリーが空になったときのことも含めて、市販の単3電池や単4電池が使えればいいのにと思う。

3. ボタンなどの操作部分が少ないこと
特にintuos4あたりから、ワコムペンタブレットのボタン操作部分にどんどん凝るようになってきた。でも、どうせ左手でキーボードを使って同時操作するし、ボタン操作部分はシンプルにしてもらったほうが私は有り難い。

4. 薄くて軽いこと
私の場合、ペンタブレットは必要なときだけ出して終わったらしまう、という使い方が多い。できれば軽くあってほしい。本体が薄い方がペン操作もやりやすい。



アップルのMagic Trackpadがこの理想にかなり近く、上記の4項目をすべて満たしている。問題は、Magic Trackpadがペンタブレットじゃなくトラックパッドだということだ。

私は、5年前に買ったワコムFAVO Bluetoothというワイヤレスのペンタブレットを今でも現役で使用している。かなり理想に近い製品なんだけど、残念ながらバッテリーがリチウムイオン方式で、本当にどこを探しても売っていない。なおかつ本体がけっこう分厚くて重いのも残念。
先日Intuosシリーズが刷新されたが、やはりバッテリーは乾電池に非対応だし、大きさや重さもこれまでと同等。ところが、それからしばらく経って、Bamboo Padというまったく別の製品が発表になった。スペックを見て驚いたのが、私の理想とする4項目をすべて満たしているということだった。
私はBamboo Padを予約購入し、Macにつないでしばらく使ってみた。

結論から言うと「小さ過ぎるけど性能は十分」。
・バッテリーは単4電池×2本。エネループで動作する。
・USBドングルでワイヤレス接続。
・筆圧は512レベル。個人的には十分。
・タッチペンが細い。慣れが必要。太いペンは別売り。
・5年以上前のワコム製品のタッチペンが一応使用できた。でも筆圧のチューニングが全然違うらしく、力を入れないと描けない。
・操作面は小さい。慣れれば気にならなくなるかもしれないが、もう一回り大きくしてほしい。
・でも、小さいということは「最小限の手の動きで描画できる」ということでもある。
・重さ150g、最薄部4.5mm。小さくて軽くて薄い。取り回しがとても楽。
・手前のボタンは左クリック/右クリック。なくてもいい気がする。無効にする手段は多分用意されていない。
・アップルのMagic Trackpadのようにタッチ操作ができる。スムーズに操作できるが、独自のドライバで動作しているため、マルチタッチのジェスチャーはカスタマイズできないし、BetterTouchToolにも対応していない。

iPadを買ったときに思った「これさえあればパソコンが無くてもけっこういけるかも」と同じ感じがする。業務用には厳しいかもしれないけど、普段ちょっと絵を描いたり写真を加工したりする程度なら、Intuosのような高性能のペンタブレットが無くてもこのBamboo Padで十分だと思った。

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