祝・10周年。DS Liteとテトリスを「集中力向上ツール」として再活用する


あけましておめでとうございます。
2016年は、いつにも増して様々な物件が10年単位の周年を迎える年らしい。ゲームの世界も例外ではない。たとえば、世界初のブロック崩し『Breakout』が登場した1976年から40年。『ドラゴンクエスト』の1作目が発売になった1986年から30年。任天堂ニンテンドー64が発売された1996年から20年。
そして、早いものでニンテンドーDS Liteの発売から数えて今年で10年だ。初代DSよりも液晶がキレイになって軽量化しつつ、従来のゲーム機とは一線を画したハードのデザインと、ゲームに興味のない人にもアピールするソフトのラインナップで、それまでゲームをしてこなかった人々も巻き込んで大ブレイクした。現在のスマートフォンゲーム隆盛の流れに先鞭をつけたのもこのDS Liteなんじゃないかと思う。
2006年3月の発売後しばらくはずっと入手困難で、amazonの商品ページが転売品で埋まっていたり、「近所のあの店に15台入荷したらしい」みたいな噂が流れてきたりと、DS Liteといえばとにかく「品薄」というイメージが強いけど、非常に優れたゲーム機だった。いま見ると若干液晶の残像と視野角が気になるものの、現在でもまったく違和感なく遊ぶことができる。

久々にDS Liteを起動してみて新鮮に感じたのが「オートモード」(電源を入れて直接ゲームを起動できる設定)。最近のゲーム機は様々な誘惑に満ちたメニュー画面を通らなければゲームをプレイできないが、おそらくDS Liteは「電源を入れてからメニュー画面を経由しないで(カートリッジスロットに入れた)ゲームが直接プレイできる」最後のゲーム機のひとつなんじゃないかと思う(あとはゲームボーイミクロぐらいかな?)。
購入から10年経った今もちゃんと動作して電池もヘタっていない私のDS Lite。なんか使い道はないもんかと考えた結果、同じく1996年に発売された『テトリスDS』専用機として使うことにした。

松井秀喜さんが現役時代にベンチでプレイして意識をコントロールしてたとか、プレイすることで過去のトラウマが軽減されるとか……。『テトリス』が人の生産性や集中力の向上に寄与する、みたいな記事を今でも時々目にすることがある。たしかに『テトリス』をプレイすると頭の中が整理されてリフレッシュした、ような気になる。科学的な真偽はともかくとしても、仕事や勉強の合間に『テトリス』をちょっとだけプレイすると気分転換になるのは間違いない。
これまでスマートフォンとかパソコンに『テトリス』を何度もインストールして試してみたけど、本来の目的である『テトリス』から逸脱して別のことをする羽目になってしまいがちだった。その点、DS Liteと『テトリスDS』ならそういう心配は皆無。逸脱したくても、そもそも他の選択肢が存在しない。
電源を入れてすぐにゲームを始めることができて、メールもメッセージもアップデートも来ないのでひたすら安心してプレイできる。私は、作業の合間にCPUとの対戦モードをプレイして、CPUに勝ったら電源を切って引き出しにしまって本来の作業に戻ることにしている(CPUのレベルは4。レベル5にはめったに勝てないので)。CPU相手にムキになって30分とか1時間とかプレイするとかえって逆効果なので注意(当たり前だけど)。
いまamazonで調べてみたところ、発売当時あんなに高騰していたDS Liteは中古で1,000円ちょい。『テトリスDS』も800円ぐらいで買える。NEXTが6つあってHOLD機能も付いている『テトリス』がゲーム機込みで2,000円程度で入手できるのである。皆様もひとついかがでしょうか。昼寝のあとの眠気ざましにも最適です。

ニンテンドーDS Liteは、テレビゲームがいい意味で「玩具」だった、最後のゲーム機だったように思う。「携帯ゲーム機はもうすぐ絶滅するかも」という論調にも一理あるけど、たとえばポメラみたいなコンセプトで、一周回って新たな価値を身につけた「ゲーム専用機」が、またいつか登場してほしいなあと思う。

ニンテンドーDS Lite クリスタルホワイト【メーカー生産終了】

ニンテンドーDS Lite クリスタルホワイト【メーカー生産終了】

テトリスDS

テトリスDS