「ハードコアゲーム」と言えば?

現在アップルのApp Storeに、上のような「おすすめハードコアゲーム」というページがある。「期間限定価格」と書かれているので、ある時期だけ掲載される企画ページらしい。
ここに掲載されている作品については何の文句もない。この中のいくつかは購入してプレイしたことがあるけど、確かに「おすすめ」する価値のある面白いゲームばっかりだった。
私がちょっと驚いたのは、これらのゲームアプリを「ハードコアゲーム」という言葉でくくっているという点だ(もちろん、ハードコアとカジュアル・ソフトコアのどっちが良い悪い、みたいなことを言いたいわけではない)。
たとえば『LIMBO』や『EPOCH.2』は、これまでのアクションゲームの複雑な要素を注意深く解体し、普段あまりゲームをしない人でも楽しめるように作られている。『Infinity Blade III』は、とても美しいグラフィックに反して操作はずいぶん簡単で、とても取っ付きが良い内容だ。私は、この企画ページに載っている作品の大半は「ハードコアゲーム」じゃないと思う。
でも、多分スマホユーザーの大半がこれらを「ハードコアゲーム」と呼ぶことに違和感を持っていないんだろうとも思う。「ハードコアゲーム」の定義に絶対はなく、時代とかプラットフォームとかプレイヤーの意識みたいなものや、ジャンルごとの内容の洗練・先鋭化によって大きく変化していくんだと感じた。「カジュアルゲーム」をスマホで日常的に楽しんでいる人にとっては「何をいまさら」なことかもしれないけど。
パソコン版の『ウィザードリィ』のような初期のコンピュータRPGは間違いなく「ハードコアゲーム」だった(魔法を唱えるときは、魔法名をキーボードで打つ必要があったりした)。その後、RPGは誰でもプレイする一般的なジャンルとなった。
逆に、シューティングゲームというジャンルは『スペースインベーダー』『ギャラクシアン』『ゼビウス』などの名作によってアーケードゲームをポピュラーなものにしたが、その後の進化と淘汰を経て、現在ではかなりハードコア寄りのジャンルに落ち着いている。
私は、ハードコアゲームと聞くと『大魔界村』(1988年)が頭に浮かぶ。みなさまはどんなタイトルを思い浮かべますか。
ある知人は、iPhone 5s購入を機に出会ったLINEのゲーム(絵柄をなぞって消す、みたいな内容)で生まれて初めてゲームにハマり、この同じゲームだけを毎日ずーっとプレイしている。この知人に、今回の企画ページの「ハードコアゲーム」のいくつかをプレイしてもらったが、まったく受け付けてもらえなかった。『アングリーバード』でさえ「よくわからない」と一蹴されたのには驚いた。
ハードコアとカジュアルの境界線、これからどうなる。