さよなら日本語版『Call of Duty: Modern Warfare 2』
昨日、アマゾンで予約していた『Call of Duty: Modern Warfare 2』(日本語版)をキャンセルした。英語の音声が収録されておらず、日本語の音声しか入っていない、という事がはっきりしたからだ。
英語音声+字幕でなく日本語音声を採用する、という道理はよくわかる。世間では「若者の洋画離れは字幕が原因」みたいな説もまかり通っていることだし(うさん臭いけど)、うちの家族も洋画をテレビで見る時は吹き替えがいいらしい。すべて日本語に吹き替えればより取っ付きやすいゲームになって、より多くのセールスが期待できるんだろう。知らないけど。
確かに、『アンチャーテッド』シリーズみたいに、日本語吹き替えがしっくり来るゲームもある。フィクションあるいはファンタジーだという前提を、作ってる人とユーザーが共有しているせいもあると思う。しかし、実在する戦争をリアルに体験できるゲームで、米兵が流暢に日本語で喋る、という事になると話は違ってくるんじゃなかろうか。
英語もろくにわからないくせに英語版を1作目から遊んできた私にとって、この『Call of Duty』シリーズの見所のひとつが「海外の戦場の最前線に放り出された日本人の私」の極限状態を楽しむ、という点だった。このシリーズは、同僚の兵士がやたらとプレイヤーに話しかけてくる。その極限状態というのも、彼らが早口で「Tango Down!」「Stand By...」とまくしたてるからこそであって、日本語で「テロリストを仕留めた!」「待て…」と喋られたら雰囲気もへったくれもない。
「今回は日本語音声に誤訳が多い」みたいな話も聞くけど、そこはどちらでもいいと思う。英語音声+字幕にしたら誤訳がなくなる、というわけでもないし。多少の誤訳はあってもいいから、音声は英語のままで残して欲しかった。
これがDVDなら英語・日本語がどっちも入っていて当たり前だが、PS3やXbox360のゲームソフトでそれをやるのは予算的にも技術的にも大変なんだろう。そういう事情もわかるし、セールスを底上げしたいという意図もすごくよくわかるけど、英語音声版を期待してガッカリしてるユーザーにも何か一言欲しかった。今後字幕版が出るかどうかも含めて、購入はしばらく様子を見させてもらいたいと思う。
全然意味は違うけど、有吉弘行の言葉「ブレイクするっていうのはバカに見つかるってことなんですよ」を思い出した。せっかく日本語吹き替えしたんだからぜひとも売れてほしいが、もし売れたら次回作も日本語吹き替えにされちゃうかもしれない。ちょっと複雑な気分。
とはいえキャンセルする口実ができて良かった。これで12月は心おきなく『マリオ』と『ゼルダ』に専念させてもらいます。