品薄続く『ニンテンドークラシックミニ』、一方アメリカでは……

任天堂の最新の英知を結集したはずのWii Uが最近あんな感じで、その一方ではこの究極の思い出物件『ニンテンドークラシックミニ』の方がよほど世間の耳目を集めている、というのが皮肉というか、さすがは任天堂さんというか……。
私も発売日に運良く購入することができ、ぼちぼち遊ばせていただいている。この『ニンテンドークラシックミニ』では、収録された30本のソフトそれぞれに4つのセーブスロットがあり、本のしおり感覚で好きな時にセーブしたりロードしたりすることができる。これが非常に有難い。セーブ/ロードしたいときはリセットボタンを押してスロットを選ぶだけ(上書きするときはAボタン長押し)。私は現在『魔界村』をプレイ中だけど、1画面進むごとにセーブし、ダメージを食らったら即リセットしてロードして再開、を繰り返している。『ダークソウル』に匹敵する難易度と言っても過言ではない(難易度だけなら)。

バーチャルコンソールや『ファミコンミニ』シリーズ、あるいは非公式なエミュレーターなども含め、昔のレトロゲームを遊ぶ手段はこれまでいくつも存在していた。今回改めて思ったのは、たとえば『スーパーマリオブラザーズ』を3DSバーチャルコンソール版で遊ぶのと『ニンテンドークラシックミニ』上で遊ぶのとでは、体験の質がずいぶん違ってくるということだった。ファミコンそっくりの筐体がそこにあるだけでも気分はまるで変わってしまう。当たり前のことかもしれないけど、任天堂はそういうことを何10年も考え続けている会社なんだなあと。

「ゲーム機は、どうしても遊びたいソフトを楽しんでいただくために仕方なく買っていただくもの」というのが任天堂の考え方だ、と岩田元社長もおっしゃっていた。でも、今回の『ニンテンドークラシックミニ』の世界的な盛り上がりを目の当たりにして、「ゲーム機そのものが好きな人も大勢いる」ということを実感させられた。「どうしても遊びたいソフト」で遊んでいるうちに、仕方なく買ったはずの「ゲーム機」のほうにも愛着がわいてきた、なんてこともあるかもしれない。ファミコンは、そういう思い入れを持った人が特にたくさんいるゲーム機なんじゃないだろうか。

ニンテンドークラシックミニ』は、ファミコンキッチュな玩具っぽさと、多彩なジャンルの充実したラインナップのソフトが一台で手軽に楽しめる、とても面白い製品だ(コントローラーが小さいのが難点だけど)。今から見れば不親切で難易度の高いタイトルも多数収録されているけど、セーブ機能のおかげで一気に遊びやすくなっている。フルプライスのソフト1本を買うつもりで一つ買ってみる価値はあると思う。



ところで、さきほど「世界的な盛り上がり」と書いた以上、一応アメリカのAmazon.comの『Nintendo Entertainment System: NES Classic Edition』のレビューが本当に盛り上がってるかどうかを確認しておこうと思って見てみたんですが……

こんな感じで、星1つのレビューが9割近くに達してます。星1つの理由は製品の質云々でなく「品薄で買えなかった」が大多数のようです。「任天堂はもっと生産してくれ」「Amazonのシステムがまずい」「転売すんな」みたいな怨嗟のコメントが2400以上並んでます。日本にも似た状況はあれど、規模がすごいっすね。

「トランプなら何とかしてくれるはず……彼ならAmazonを再び偉大にしてくれる」。



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