任天堂にとってiPadがプレイステーションの再来じゃないといいね

morisawajun2010-02-04

1990年代前半。当時の王者・任天堂スーパーファミコンからニンテンドウ64にバトンを渡すのをしくじって、後ろから追いかけてきたソニープレイステーションに追い抜かれた。その主な理由は以下のような感じだったと思う。

で、2010年現在。私は、いまの現状があのソニー逆転勝利の時と似てるなと思うんである。

  • DSカートリッジに比べ、媒体なしで端末のメモリに保存されるiPhoneアプリは単価が異様に安い。
  • iPhoneアプリはネットで直接配信されるから、流通コストもとても低く、これもアプリの単価に反映。
  • iPhoneアプリは物理的な商品ではなく、App Storeで24時間いつでも買える。在庫切れもない。
  • 企業でなくとも、MaciPhone SDKがあれば原則だれでもiPhoneアプリを開発して市場に参入できる。実際、App Storeのダウンロード数もユーザーの選択肢も爆発的に増えた(ひどいアプリも山のようにあるけど)。

アップルは、携帯端末であるiPad/iPhoneで音楽も書籍もゲームもネットで同列に配信しようとしている。この挑発的な流れに対して、従来の小売店舗や流通を無視できない王者・任天堂は一体どう出るんだろうか。

次世代のDSにおけるネット配信が、今のDSiウェアみたいな実験的な存在のままなのか、それとも本腰を入れたものなのか(例えばナンバリングタイトルのマリオやゼルダをネット配信で専売する、とか)。ナプスターのユーザーをアップルがiTunesで合法的に取り込んだように、マジコンのユーザーを任天堂がネットを使って合法的に取り込むつもりがあるのか。PSPでは今ひとつうまく行っていない「店舗+ネット配信の併売」をやるのか。従来通り「カートリッジ式の専売」「小売店での販売」「テレビCMの大量投下」を継続するのか。

そもそもゲームのネット配信がゲーム販売の主流になりうるのか。大人はともかく、子供はやっぱりお店でカートリッジを買うしかないんじゃないのか。うちの近所のトイザらス任天堂コーナーは次世代DSではどうなっちゃうのか……。と、気になることは枚挙にいとまがない。たとえば「アップルのゲーム配信にドラクエの最新作が登場」みたいなことが現実に起きたら、アップルが任天堂に勝ったと言っていいと思うけど、そんなことが本当にありうるんだろうか。

私は任天堂の次世代DSに勝ってほしいが、「勝ってほしい」とか考えてる時点でアップルの仕掛けた土俵にわざわざ乗っかるようなものなのかもしれない。iPadプレイステーションの再来にならなければいいんだが。でも、任天堂が一度プレイステーションに負けなければWiiもDSも存在しなかったかもしれないわけで、一度アップルが主流になるってのも悪くない。結論としては「面白ければ何でもいい」ってことか。こんなまとめですいません。

ちなみに私のDSは『おいでよ どうぶつの森』専用機になりつつある(今年で5年目、まだやってます)。次世代のDSでも引き続き遊んでいきたいです。