プレイヤーを信じ、コントロールしない。クリエイターが語る『Her Story』


The Game Awards 2015のBest Narrative部門など数々の受賞で知られる、実写ミステリー作品『Her Story』。これまで『サイレント・ヒル』シリーズなどを手がけてきた、クリエイターのSam Barlow氏のインタビューがGamasutraに掲載されています。

本作の「キーワードを入力して取り調べ映像の断片を見るたびに新たなキーワードと事実が明らかになり、捜査の枝葉がどんどん広がっていく」感覚は独特で、1990年代のCD-ROM/マルチメディア作品みたいな外観も含め、とても斬新で面白い作品です。しかし、従来の「直線的な物語が連続して進行する」構造とは一線を画した「大量の断片的な物語要素へプレイヤーが並列・ランダムにアクセスする」という内容の開発はとても大変だった、とBarlow氏は語っています。

以下、一部引用します。

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電子書籍と「あげる」と「いつでも貸す」

かなり前に、ダウンタウンの松本さんがご自身のラジオ番組で、子供時代のことを話していた。お兄さん(松本隆博さん)の飽きてしまったオモチャを、松本さんが「くれ」と頼んだという。

そのときお兄さんは、オモチャをくれと頼まれて
「あげることはできないが、お前が貸してほしいならいつでも貸してやる。つまり、お前にあげたのと一緒だ」
みたいなことを言い、松本さんは腑に落ちない思いをしたと語っていた。

電子書籍が今ひとつブレイクしない、というような話を聞くたびに、この「あげないけど、いつでも貸してやる」という言葉を思い出す。「あげる」と「いつでも貸す」、そして「所有権」と「使用権」の間には、想像をはるかに超える深い谷が存在しているような気がする。

コナミのファミコンソフトが好きだった


私はコナミファミコンソフトが好きだった。特に1980年代後半、家庭用ゲームソフトの開発技術が成熟し、各社から面白いソフトが次々と登場するようになったころ、その中でもコナミが作るファミコンソフトのクオリティーはトップクラスだった。

ファミコンの醍醐味のひとつが、「カートリッジの中に拡張チップを入れることで、ファミコンの性能の限界がどんどん上がっていく」という点にあった。メモリ、グラフィック、のちに音源までも強化する拡張チップの使い方が、コナミは競合他社と比較しても本当にうまかったと思う。

1988年の『魂斗羅』(VRC2)や『グラディウスII』(VRC4)といった作品を経て、満を持してVRC6チップ入りで発売された『悪魔城伝説』(1989年)は、いま見てもファミコンとは思えない作品だ。特に、拡張音源と内蔵音源を駆使して演奏される音楽には本当に驚かされた(テレビにイヤホンを差してサウンドテストで延々聴いていた)。「主人公に加えて3人のサブキャラクターからひとりを選び、切り替えながらルートを分岐して様々なステージを攻略していく」というスケールの大きいゲーム内容も含めて、ファミコンの限界を突破した破格の作品だったと思う。

ところで、1989年当時の『悪魔城伝説』のテレビCMをYouTubeに載せている方がいた。CMを見てみたところ、「VRC6+3M+64KSRAM搭載」とはっきり書かれていたのにはちょっと驚いた(今のゲームソフトではあんまり見たことがない)。

ソフトの中に入っているチップの名前やROM容量といった情報そのものが、当時のファミコンユーザーに対してセールスポイントになっていたと同時に、すでに登場していた高性能な次世代機(PCエンジンメガドライブ)を踏まえて「旧世代のファミコンソフトだけどカセットの中では色々工夫してますよ」というアピールもしておきたかったのではないかと思う。

ファミコン時代のコナミは、高い技術と執念がなければ作りようのない大作ソフトをいっぱい生み出した。ところが、先日のあの記事によると、コナミ上月会長は「(ゲームの)イメージが良くなく子供にも自分の職業が言えなかった」とおっしゃっていたという。いいゲームソフトを量産したあのコナミのトップの発言としてはものすごく意外だった。

でも、テレビゲームが大してお好きでもなかった上月社長(当時)がトップに立っていたからこそ、あの数々の名作があったのかもしれない。中途半端に好きなぐらいなら、かえって嫌いだったり興味がなかったりするほうが、経営者としては正しい判断が下せる、みたいな。もし上月社長が無類のゲームマニアだったら、『悪魔城伝説』も『魂斗羅』も『魍魎戦記MADARA』も『ラグランジュポイント』も存在していなかったかもしれない。そうか?

悪魔城伝説

悪魔城伝説

「やらずにすむゲーム」の決定版、目覚まし時計+RPG『dreeps』

■dreeps■iOS 6.0以降■2015年1月21日■アラームプレイングゲーム ■300円■★★★★★公式サイト


「やらずにすむゲームはないか?」
吉田戦車さんの4コマ漫画「はまり道」(1994年)に出てくる有名なセリフだ。
この「はまり道」が連載されていた当時はそうでもなかったが、最近ではコンピューターが主体的にゲームを進行してくれる作品は特に珍しくない。今では「放置系」というジャンルが存在するぐらい「やらずにすむゲーム」は一般的になった。

とはいえ、そうした作品は厳密に言えば「やらずにすむゲーム」ではない。それらのゲームを楽しむには「住人にプレゼントをあげてリアクションを見る」「毎日エサをあげたり散歩させたりする」「AIで行動する勇者の冒険の進み具合やイベント履歴をチェックする」といった操作を能動的に「やる」ことは避けられない。おそらく放置系の元祖である『ライフゲーム』(1970年)でも、初期状態のセルを配置するという奥深い操作が必要だった。そもそも「ゲーム」と「やる」は不可分なのだ。

このマンガの主人公に必要なのは「最小の手間で最大の楽しさを享受できるゲーム」だったのではないかと思う。当たり前だけど、結局「やらずにすむゲーム」というのは矛盾を含んだ理想でしかない(だからこそこの4コマは面白いんだけど)。

そして、その理想に大きく近づくことに成功した作品がついに登場した。それがこの『dreeps』だ。

『dreeps』は、目覚まし時計に放置型RPGを組み合わせた作品である。必要な操作は、基本的には「アラームを設定する」ことだけで、あとは画面を眺めるだけ。武器や魔法の強化とかジョブチェンジとか冒険のログといった要素はまったく存在せず、「最小の手間で最大の楽しさを享受できる」内容となっているのだ。

「やらずにすむゲーム」としてこの作品が画期的なのは、「特定の時間にアラームを設定する」と「麻痺した勇者をタップで回復する」以外の操作がほぼ存在しない、という点だ(あとはせいぜい倒した敵の数と経験値が表示されるぐらい)。

アプリを起動すると画面内の勇者は世界を探索して敵と戦い、経験値を稼いでレベルを上げていく。ただ、その過程でヒットポイントが減少していく(ゼロになると勇者は止まってしまう)。
ヒットポイントを回復するには、アラームを設定して勇者を眠らせるしかない。眠った時間に応じてヒットポイントが回復し、再び冒険を続けてくれる(このアラームの設定時間がゲームの展開に大きく関係しているのもうまいと思った)。

見方を変えれば、ダメージを受けた勇者が睡眠をとってヒットポイントを回復するまで「やらずにすむ」ということでもある。普通ならこうした仕組みは課金を誘うために使われるもんだと思うけど(有料の回復アイテムを購入!みたいな)。そんなに必死でプレイしなくていいですよ、ということなのかも。

なおかつ、「アラーム」というのは日常的に使える機能なので、生活の一部に習慣として無理なく組み込んで楽しめる。もしかするとポモドーロ・テクニックのタイマーとして使ったりすると楽しいかもしれない(アラームが絶対時刻なので設定がちょっと面倒だけど)。


こんなに簡単すぎる操作でもRPGをプレイしている気分になれるのは、独特の世界観を見事に表現した素晴らしいグラフィックと音楽の力が大きい。よくある中世の西洋風ではない、ドット絵で描かれた世界は本当に見応えがある。なおかつ、本来ならテキストで説明するようなこと(場所・時間の変化とか、勇者が麻痺したとか、ボスに出会ったとか……)をいっさい文字にせず映像と音だけで表現しているのもすごい。グラフィックがスーパーファミコン世代の雰囲気なのにサウンドが若干ファミコン世代寄りで、それがとてもしっくり来ているのもちょっと面白かった。

もちろん本格的なRPGとはまったく別物だし、ゲーム展開は実にシンプルで淡白なので、大作RPGみたいな内容を期待すると肩すかしを食うかもしれないけど、公式サイトの「RPGを遊ぶ時間のなくなったあなたへ」というコピーに共感した人なら一見の価値のある秀作だと思う。アラームをセットするだけなのにRPGで遊んだような感覚を味わえるのが本当に楽しい。

基本無料+課金タイプのゲームは「いかにゲームに熱中してもらうか」を緻密に計算して作られている。その一方で、有料アプリである『dreeps』が「いかにゲームをやらずに済むか」を実現しているのが面白いというか皮肉というか、時代は変わったなと思った。


dreeps: Alarm Playing Game

吉田戦車のゲーム漫画大全 (兄) (ビームコミックス)

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吉田戦車のゲーム漫画大全 (弟) (ビームコミックス)

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クラブニンテンドーグッズの思い出

任天堂さんのポイントサービス、クラブニンテンドーが2015年で終了することが発表されました。
2003年にこのサービスが始まって以来、ずいぶん色々なグッズを頂いてきましたが、頂いたまんまで封も切らず箱にしまってそのまま、みたいなグッズがかなり眠ってました。
というわけで今さら感が強いですが、初めて封を切ったグッズを含めていくつか写真を撮ってみました。
クラブニンテンドーが終わってしまうのは寂しいですが、準備中だという新サービスの続報を待ちたいと思います。






ドットマリオクッション(2011年)




ピクミントートバッグ(2012年)




オリジナルデザインコントローラ「マリオ」(2005年)

オリジナルデザインウェーブバード「クラブニンテンドー」(2006年)


スマブラDXスマブラXで重宝しました。特にウェーブバードはとても使いやすかった。


ゼルダコレクション(2004年)




オリジナルフィギュア「マリオファミリー」(2005年)




クラブニンテンドー花札(2006年)




Wiiリモコン型TVリモコン(2006年)


外観はほぼWiiリモコンですが、TVリモコンの機能説明が印字されています。


どうぶつの森トランプ(2008年)




オリジナルDSLiteポーチ(2006年)


写真では使用感ありますが、洗うとまた白さが戻ります。


クラブニンテンドー扇子(2010年)


素材は竹+紙。もったいなくて使えません。


スーパーファミコン クラシックコントローラ(2008年)


なかなかの再現度ですが、USBにしてほしかったかも……。


クラブニンテンドーTシャツ2013(ピクミン3(2013年)




クラブニンテンドーキンチャク (2013年)




プレミアムマリオトランプ (2013年)


メタリックで透けてるすごいトランプ。


ゲーム&ウォッチ ボール 復刻版(2009年)




どうぶつの森ミニバッグ(2010年)




オリジナルバッジ(リンク)(2014年)


金属製で裏に安全ピンが付いています(ブラックジャックさんは別売りです)。


ラバーコースター(ハテナブロック)(2014年)


とても使いやすい実用的なコースター。裏は滑り止め+ロゴ付き。


ファミコンリングノート (2014年)


表紙と裏表紙はプラスチックでした。もったいなくて使えません。


クラブニンテンドーカレンダー2015(2014年)


12枚入りの2015年カレンダー。「来年もよろしくお願いいたします」。




クラブニンテンドー
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