3DSとPS Vitaはモメてる場合じゃないと思う





過去5年以上に渡って熱いバトルを繰り広げてきた任天堂のDSとソニーPSPその「後釜」として登場したのが、3DSとPS Vitaである。
どちらの後釜も、前任者の志を引き継ぎつつ大幅にパワーアップした。特に、誰もが価格を二度見せざるを得ないPS Vitaの価格性能比の高さっぷりは確かにすごい。


しかし、“携帯ゲーム戦争”に有力選手がDSとPSPしかいなかった5年前と違い、今度の後釜たちは相当やりにくそうである。スマートフォンの皮をかぶったアップルのiOSとグーグルのAndroidが、とてつもなく大量の低価格ゲームやら無料ソーシャルゲームやらを引っさげて“携帯ゲーム戦争”に割り込んできたからだ。


確かに「ビデオゲームとしての質」は、3DSやPS Vitaのソフトの方が全般的には高いかもしれない。でも、消費者がゲームソフトを選ぶ基準は「質」だけとは限らない。それは価格かもしれないし、難易度や敷居の低さかもしれない。ソーシャルグラフを根っこにしているかどうか、なんてこともあるだろうし、頻繁にアップデートされるかどうかも一つのポイントだろう。


そして、スマートフォン用ゲームの「ビデオゲームとしての質」も、ゲーム専用機とは遜色のないものになりつつある。たとえばiOS版の『Dead Space』、あるいはスクウェア・エニックスの『ケイオスリング』シリーズ。今年の初めの記事に挙げたiOS用ゲーム10作品も、ゲーム専用機でも普通に通用しそうなものばかりだ。
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もはや、3DSとPS Vitaはモメてる場合じゃないと思う。『Angry Birds』の開発元の発言なんかを読むと、余計にそう感じるんである。


私がふと思い浮かんだのが、8時だョ!全員集合」で加藤茶志村けんドリフターズ内の権力闘争をしている間に、裏でたけし・さんまの「オレたちひょうきん族」が始まっていた、という光景だ(加藤・志村は実際はモメてないけど、話のたとえとして)。


オレたちひょうきん族」はとてつもないブームとなり、結局「8時だョ!全員集合」は敗北した。
ところがその後「全員集合」は、加藤・志村による「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」となって徐々に人気を上げてゆき、「オレたちひょうきん族」に逆転勝利した。加藤茶志村けんがタッグを組み、戦いを制したのである。


もはやスマートフォン陣営が無視できないほどに勢いを増した昨今。スーパーファミコンの出自から始まって、これまでずっと「敵対関係」にあった任天堂ソニーは、ちょっとでいいから関係を考え直してみてもいいんじゃなかろうか
ドリフの加藤・志村みたいに、3DSとPS Vitaががっちりタッグを組む、なんてのはムリかもしれないけど、せめて「敵対関係」から一歩進んで「良きライバル」ぐらいになってくれたら面白いのになあと思うのである。


3DSPSP Vitaはさておき、とりあえず「WiiリモコンPS3でも使えるようになる(赤外線ポインタは除く)」ぐらいから始めてみてはどうだろうか。
個人的には「トルネがWii Uでも使えるようになり、あの画面付きコントローラでテレビが見られる」ぐらいまで行ってほしい。ムリだろうけど一応書いといた。